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ーーー春川高校 2年D組
教室の窓際の列、1番うしろ。
ここが栞莉の席だ。
今は昼休み。栞莉たちもお弁当を広げていた。
「笹田~っ、コレ頼まれたんだけどさぁ。」
「………あぁ、サンキュ。」
栞莉がクラスメイトから受け取ったのは、ピンクの可愛らしい封筒に入った手紙。
箸を置き、中を見ようとするが、パッと横から奪われてしまう。
「どうせまたラヴレターでしょ?
そして差出人はぁ~っと、やっぱり!女だ!…ニヤリ。」
「………夏樹、顔がイヤらしい。」
夏樹に冷静にそう告げ、栞莉はまた弁当に戻る。
夏樹は、アハハ♪と笑いながら、勝手に封を開け読み始める。
夏樹は栞莉と高校からの付き合いだ。
夏樹は派手な外見とは違い、かなりしっかりしている。
栞莉の性格もすぐに見抜いた。
『あんた、クールだなんだ言われてるけど、ただボーっとしてるだけじゃない!?』
それ以来、何かと世話を焼き始め、気づけばずっと一緒にいる。
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