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夏樹は、栞莉宛てのラヴレターを読み終えると、2つ並ぶダンボールのうち、“栞莉用☆”と書かれた方へそっと入れる。
「すごいねぇ、栞莉ちゃん!
2年生になってまだ1ヵ月なのに、もうダンボール半分埋まりそうだね♪」
可愛らしい女の子が、目をキラキラ輝かせながら栞莉を見つめている。
「そういう凛も、栞莉のファンの1人だもんね?」
ニヤニヤと意地悪に笑う夏樹に、凛は頬をプク~ッと膨らませて怒る。
「違うもん!ファンじゃなくって、お友達だもんっ!」
凛は、栞莉と中学3年の時に出会った。
凛は、家がお金持ちという理由で友達をつくれなかった。
ほとんどが、媚びを売って近付いてくるか、妬んで近寄ろうとしないかのどちらかだった。
3年になった時、クラスで同じように周りと馴染んでいない栞莉に出会った。
1人でおどおどする自分とは違い、堂々としている栞莉に憧れた。
勇気を出し、話しかけたのがきっかけだ。
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