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「でも、栞莉ちゃんってホント女の子にモテるよね?」
「………別に、モテてないから。」
凛の尊敬の眼差しに、栞莉は無表情で答える。
それを見ていた夏樹が盛大な溜め息をついた。
「ハァ~ッ。
あんた、何人の女の子を泣かせれば気が済むのよ!」
栞莉は、170cmと女子の割には背が高い。
切れ長の目、
サラサラのショートヘア、
高校に入ってさらに磨きがかかったポーカーフェイス、
とくれば、女の子たちが騒ぐのも無理はないのかもしれない。
本人は、なぜ自分がこんな手紙をもらうのか、さっぱり意味が分からない。
と、首をひねるばかりだ。
そうしているうちに予鈴がなり、それぞれの席へ戻っていく。
とはいえ、夏樹に至っては隣の席なのだが。
「…………。」
栞莉はいつものように窓の外をぼんやり眺めている。
(あいつ、……もう着いたかな?)
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