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ふと、凛の髪に栞莉の手が触れる。
「………ふわふわ♪」
「「出たっ!?///」」
何の前触れもなしに栞莉が笑顔を見せると、いまだに凛だけならず夏樹までも頬を赤くしてしまう。
「あんたねぇ!その笑顔が世の女の子たちを虜にしちゃうんじゃない!
分かってんの!?」
「………?」
夏樹ですら栞莉のツボは分からないが、栞莉は時々あどけない表情を見せる。
普段の栞莉からは想像もできないほどの無邪気な笑顔に、
女の子からの人気が一気に膨れあがるのだ。
栞莉はお構いなしに、真っ赤になった凛の髪を撫でる。
(ふわふわして気持ちいい…。
そういや、あいつの髪もこんな感じだったかな。)
「………あっ、やべ。……帰んなきゃ。」
無表情に戻り、急いで教室を出て行く栞莉を見て、
本当に用事があったんだ、と納得する夏樹。
「珍しいわね?あんなに急いでんの。」
「えっ?ごめん、何?」
凛は、まだ顔を赤くしたままポーッとしていた。
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