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月曜日の朝。
「うーん…。」
洋一が目を覚ますと、
隣には正真正銘、自分の弟が寝ていた。
まだ幼い顔で、すぅすぅと寝息を立てている。
昨日の夜、
枕を抱えて部屋に入ってきた海斗を見たときは、涙が出るかと思うほど可愛かった。
洋一は思い出してクスッと笑い、起こさないようにそっと海斗にキスをする。
(あっ、俺までこういう教育しちゃダメじゃん。
ってか、学校で気ぃつけねぇと。)
洋一が帰国してから1週間が過ぎ、今日から学校に通うことになっていた。
栞莉と待ち合わせしているので、まだ海斗と寝ていたいが仕方がない布団から出る。
「え~っと…、ネクタイってどうやんだっけ?」
慣れない制服に着替えて、洗面所へと降りていく。
顔を洗ってリビングへ行くと、キッチンでは早苗が朝食を並べていた。
「おはよう、洋一。」
「おはよ。わぁ、うまそう!」
日本の朝ごはん、未だに感動してしまう。
「んまい♪」
朝ごはんを幸せで噛みしめていると、バタバタと、階段から音が降りてくる。
「ママ~。」
海斗が起きてきたようだ。
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