初登校

3/34
前へ
/376ページ
次へ
  「ママ~?洋ちゃんは~?」 海斗が目をこすりながら、リビングに入ってくる。 お気に入りの青いパジャマには、流行りのキャラクターたちがたくさん描かれている。 「海斗、おはよ!」 そんな海斗が可愛くて、洋一はにこにこしながら海斗を呼ぶ。 「洋ちゃん!おはよ♪」 海斗もまた嬉しくて満面の笑みで答える。 「あら、1人で起きたの?えらいわねぇ♪」 「ママ、おはよう。チュッ♪」 「チュッ♪海斗も一緒にごはん食べなさい?」 海斗は、うん♪と元気に頷き、 洋一におはようの挨拶を「チュッ♪」してから、椅子に座る。 洋一はこの1週間で、だいぶ海斗と仲良くなることができた。 海斗もまた洋一にかなり打ち解けて、ゆうべはお泊まりに押しかけたのだ。 「ねぇ海斗。さっき洋ちゃんって、俺のこと?」 洋一が向かいに座った海斗に思い出して聞いてみる。 「うん!洋一お兄ちゃん、略して、洋ちゃん♪」 得意げに言う海斗。 ちょっと違う気もするが、弟がこれほど懐いてくれるのが嬉しくて、まぁいいかと洋一は軽く流してしまう。 (洋ちゃんなんて、懐かしいなぁ…。)  
/376ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13829人が本棚に入れています
本棚に追加