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朝起きると、猫がいなかった。周りを捜したがいない…。まさか、町に?捜しに行くわけにもいかない。諦めるしかない…。
これであの目を見なくて済むと安心する自分がいた。
「ここで最後だ!ここまで生き残ったならば、最後まで生きてみよ!」
今日で殲滅も最後。ここの地区を殲滅すれば自分達の国の勝ちとなる。
「ゼロ。」
長官に話かけられる。
「はい。」
「期待してるぞ。」
「はい。」
「フッ。頼もしいなぁ。」
町に突入する。
慣れた手付きでどんどん人を殺していく。銃弾が頬をかすめる。ソイツを確認し、銃で撃ち返す。
何人殺しただろう。もう残りはわずかとなった。
隠れていそうな場所を見付け、ドアを蹴り破る。予想どおり女子供が数人固まっていた。
次々斬り殺していく。
最後の一人。……少女。ガタガタとサーベルを持つ手が奮える。
目が…目が、俺を……。
「ッ!!」
痛みが…腹に走る。
少女が俺の腹にナイフをつき刺している。
傷が…深い……。死ぬ…な……。
意識が遠のり、倒れる。
少女が俺を見下す。目が訴える。お前が皆を殺した。お前が悪い。お前は死んで当たり前だと。これがお前の罪だと。
闇の広がる瞳に、潤いが満ちていた。
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