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「ふぅーん。正直ちょっと信じらんないカモ」
先程羽衣ちゃんのお母さんが持ってきてくれた、ジュースと手作りマフィンを口に運びながら、今までの不思議体験を聞かせていたのだが。
未音が思っていたよりも反応が薄かった。
もっと吃驚してくれてもいいのに・・・。作り話とでも思っているのかな?
「本当なんだってば!ほら、傷もあるし」
そう言って、伴倉庫の貼ってある方の手を見せる。
それでも信じてなさそうな顔をする羽衣。
「もう!本当なんだってば!!信じてくれないなら別にいいよ!」
本当はいい訳ないのだろう、下を向いて口はへの字だ。
こうなると未音の機嫌は簡単には戻らない。
「だってさぁ、猫が喋ったりマンションに変な部屋があったりなんて・・・マンガじゃないんだからそんな事有り得ないでしょ?」
更に追い打ちを掛ける一言が、羽衣の口から洩れる。
友達の、しかも親友だと思っている子からの棘のある言葉に、未音の何かがプチンと切れた。
何も言わずに羽衣の部屋を飛び出し、外へと駆け出した。
「ちょっと未音ちゃん!」
突然の事で呆気にとられていた羽衣が、慌てて声を掛けたが、その時はすでに家から出て行ってしまっていた。
有った事をそのまま話しただけなのに、自分が思っていた反応とは違う事と、体験した事実をうまく伝えられなかった事が悔しくて、自然と涙がこぼれ落ちていた。
思いっきり走る事にも疲れ、トボトボと歩いて家へと帰る。
「本当にあった事なのに・・・・。羽衣のバカ!!」
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