いちにちのおはなし

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夢で目が覚めた。 頬が濡れている。 どんな夢だったのかは思い出せない。 その夢で味わった悲しみは僕の中で広がり、目が覚めてからもしばらく涙が止まらなかった。 僕が起き上がったのに反応して、エンゼルも起きてきた。 伸びをして、あくびするエンゼルを見たら、なんだか安心して、僕の悲しみは小さくなっていった。 「おはよう」 少し寝ぼけた顔で僕を見るエンゼル。 僕は袋からミルクとドッグフードを取り出し、エンゼルの前に置いた。 美味しそうに食べるエンゼルを見て、僕もお腹が空いてきた。 だけど昨日買ったものは残っていないし、わざわざ買いにいくのも面倒だ。 僕はドッグフードにがっつくエンゼルを見つめた。
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