いちにちのおはなし

6/25

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
あまりの眩しさに、僕はしばらく目を開けられなかった。 この白は、光でできていると直感した。 目を開けると、かなり近い距離に、黄色の光でできたような女神がいた。 女神というか、天使だろうか? 僕は驚きのあまり言葉を発せない。 天使は微笑んで、優雅な仕草で手に持った杖のようなものを振った。 杖を振ったあとに光が広がる。 その光は僕と子犬を包んで、僕の手に集まって消えていった。 天使は七回手を叩いてみせた。 そして人差し指で、子犬にちょん、と触れた。 僕が怪訝そうな顔をすると、天使は苦笑いして、少しずつ光とともに消えていった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加