嫉妬

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「……ォィ、あからさまにジロジロ見るのは止めろって。オレまで睨まれるだろ…」 さっきから恭一は、向こうで男子と同じように測定を行っている女子から目を逸らさない。 「へーきへーき、オレもお前も、顔は良いんだから」 「………」 そんなコトは無い。 実際、オレの女子の評判は最悪だ。 何やらオレは、何を考えているのか分からない、とよく言われるのだ。 ……でもちょっと待ってほしい。 そんな簡単に考えてるコトが分かるヤツなんているのだろうか? いつもニコニコ笑顔で人当たりがいいテンプレ的な“良い人”でも、腹の中じゃとんでもないこと考えてるヤツだっている。 つまり! 何考えてるか分かんないってのはただの偏見でしかねぇだろーが、このクソがッ! ………………ぃゃ、別に僻んでるワケじゃなぃょ? ………多分。 「ウチのクラスはカスみてーなのばっかだが、6組には可愛い子がかなり揃ってんだぜ?」 「ふーん」 マジかょ何でオレは6組じゃねーんだょ死ね。
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