26人が本棚に入れています
本棚に追加
「いやね。分かってんスよ。お前が片桐のコト気にしちゃってるってのは」
「だから…、」
ズイッ、と。
いきなし恭一の顔が視界を占める。
「ん？」
「ぃゃ、だからな…」
「んん？」
「…その…、……」
「んんん？」
「………」
近いって。
「ちょっと前までは…」
「んん～？」
「……正直、ちょっと前までは、片桐のコト気にしてたかもしんない。でも、今は、全然」
「………何ぃ～？」
恭一は、いかにも不満そうな顔をする。
「嘘言え」
「まぁ、別にいいけどさ。お前がどー思ってようと」
「………はぁ。つまんねーなぁ、お前」
拗ねる恭一。
皮肉気味に笑うオレ。
そんなオレ達とは
まるで居る世界が違うというような
そんな
真剣な顔付きで
片桐･空は
スタートの合図を待っていた。
最初のコメントを投稿しよう！