端緒

3/10
前へ
/80ページ
次へ
「おつかれ、空!」 「ほんっと、スゴかったぁ!」 何人もの生徒が、あっという間にゴールを切った彼女に駆け寄る。 「……ありがと」 息を乱しながらも笑顔でそう応え、自分の1~2秒後にゴールした、永森・沙希に声を掛ける。 「大丈夫、沙希?」 「…アンタ…ッ、…速…すぎ…」 今にも死にそうなくらい息を乱しながら永森はそう言って、大袈裟気味にその場に倒れ込んだ。 「…ぁ゛ぁ~、悔しぃ…。これでも中学の時は学年で一位だったのに…」 「ま、コレが本職の実力ってワケだよ」 片桐・空は満足気に微笑んだ。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加