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「………マジで言ってんのか」
「マジだって。ほら、ノート」
オレはノートを差し出しながら立ち上がる。
恭一は目を細めながら、それを受け取った。
次の授業は体育だ。
なので、ロッカーから体育着を取ってこなければならない。
「……でもさ、何で毎回オレに借りるんだよ。席離れてんのに」
「あぁ。字がキレイなパシリといえば、お前だし?」
「……貸さねーぞ、もう」
「おやぁ、んーなコト言うと安藤センセーに赤羽クンの腹の内、バラしちゃいますぜ?」
「は…ッ」
恭一の嫌味がどうにも可笑しくて、笑ってしまう。
「授業はほぼ全部寝てて、テストは毎回赤点ギリ。そんなヤツが言うコトなんて、知ったこっちゃないだろ。安藤にとってオレは、真面目に授業受けてくれる数少ない生徒の内の一人なんだから」
「……るっせ」
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