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  また光を見ていた。 子供が見えた。 玄関前らしい場所。 細い廊下をこちらに向かい可愛らしい女の子が長い髪を揺らし走って来た。 ピンク色のパジャマ。 全体には何かキャラクターの様なモノが描かれている。 軟らかそうな髪を揺らし、抱きついて来た。 体が離れると、小さな唇を動かし何かをしきりに話そうとしている。 『パ……パ…?』 唇を読もうと、動きを真似した。 おそらく、父親の帰宅に喜び走り寄り、1日の事を話しているのかもしれない。 そんな姿に見えた。 私は…その人の目としてモノを見ているのかもしれない。。。 それが現実なのか、空想なのかは分からなかったが、唯一の光りは自然と私の意識を惹き付けた。 だだ、これが誰なのかは分からない…。 先程とはスーツの色が変わっている。 視界に入る腕が濃紺のスーツになっている。 女の子を抱き上げ、廊下を歩く…台所に立つ女性が見えた。 ショートカットの女性が料理を温めている後ろ姿だった。 こちらを向かない女性に何か話し掛けているのだろうか…。 微かに女性の頭が動いている。 女の子をその場に下ろすと、向きが変わった。 また廊下を移動している。 寝室らしき部屋に入りジャケットを脱ぐ。ベッドの端に座りポケットから黒の携帯を取り出した。 暗い部屋の中、そのディスプレーの明かりがぼんやり光る。 カチカチと携帯を弄る指…メールを二通程返信をし、携帯を閉じた。 握り締めた携帯がもう一度開いた。 またカチカチと指がボタンを押した… ぼんやりと写真らしきモノを呼び出していた。 女性?…奥さんだろうか… 髪が長い… また映像が、だんだんぼやけていった。 また暗闇に取り残された。 私は一体何を見ているのだろう… 誰の目となって世界を見ているのだろう… 答えは無いまま… また少し沈んで行った。
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