山下 潤一

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ある朝 放り込まれた 一枚の手紙。 差出人は 母だった。 きっと 俺が捕まったから とても迷惑してる …とかいう内容だろう。 俺は、手紙を床に置いた。 父は 俺が小さな頃に 死んだ。 母は、それから女手ひとつで俺を育ててくれた。 感謝している。 なのに なのに俺は 母を裏切った。 こんな形で 息子に裏切られた母には きっと憎まれているだろう。 飼い犬に 手を噛まれたような いや、それ以上の 気持ち。 汗水流して 一生懸命育てた息子が 殺人犯になったのだから。 俺は やはり死ぬべきだ。  
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