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――本当に?
…誰かが囁いた。
誰だろう。
私は辺りを見回したが、誰もいなかった。
…空耳?
――死にたいの?
確かに聞こえた。
誰かが、いる。
「…誰かいるの?」
私は、見えない誰かに
問掛ける。
ざわざわと風が
木々を揺らした。
――本当に死にたいのなら
どこにいるの?
私は
見えない不安にかられる。
――少しだけ、耳を傾けて
私は
空を見上げた。
あぁ
なんて綺麗な月なんだ。
――死は、ひとつじゃない
私は
目を閉じた。
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