僕と猫田さん

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裏庭で餌にがっつく猫田さんを僕は観察していた。 昼休みに友達から貰った餌を猫田さんに献上したのだ。 「猫田さん……」 ふっと猫田さんが顔を上げた。 「猫田さんって結構優しいですね」 猫田さんは餌泥棒には十倍返しにすると言っておきながら、逆に僕にとっては不本意だが住まいと食事を提供したのだ。 僕に対する扱いとは大違いだ。 「フンッ」 気恥ずかしかったのか顔を背けた猫田さんは、また餌を食べ始めた。 そんな猫田さんを見て、僕は静かに微笑んだ……。
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