僕と猫田さん

6/11
前へ
/13ページ
次へ
「そうそう、確かD組の奴が言ってたな」 「なんで餌なんだろ?」 「食ってたりして」 クラスメイトに尋ねると、猫田さん関連ということもあり勢いよく食いついてきた。 「俺の友達がペットの餌試しに食ったらしいけど、あんまり旨くないってさ」 「でも、追い詰められれば人間でも食うかもよ」 「そんな切羽詰まった奴学校にいる訳ねーだろ」 それに盗むのは大体安物らしい。 利益とかを考えて盗むにしても、やはり高い物を選ぶだろう。 一体、誰が犯人なのやら……。 「そういえば、誰かが見慣れない奴見たとか言ってたな」 先程から聞き耳を立てていたらしいクラスメイトが話に入ってきた。 「見慣れない奴?」 「ああ。盗まれた時移動教室だったらしいんだが忘れ物を取りに行った奴が、見たことない生徒と廊下の角ですれ違ったって……」 丁度教室の扉が開き、先生が現れた。 「授業始めるぞー」 慌てて僕たちも自分の席に着く。 話は中断されてしまったが目撃証言が得られただけでもいい進展だ。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加