僕と猫田さん

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今日の夜、早速僕は猫田さんに報告した。 「見慣れぬ生徒か……」 軽食の具だくさんコンソメスープに息を吹きかけて冷ましながら猫田さんは考えていた。 「俺の方は校舎内には入ったりしないからよくわからないな」 猫田さんの言う通り、猫田さんは校舎内ではなく校庭や中庭などにいつもいるため学校側もそんなに彼を邪険に扱ったり捕まえようとしたりしないのだ。 そういうこともあって僕に餌泥棒を探すように命令したのかもしれない。 「今度移動教室がある時に一度戻って誰かいないか確かめてみます」 「餌泥棒がいたら、どこの誰か教えろ」 「え?」 「食べ物の恨みだ、十倍返しにしてやる!」 猫田さんは冷めていくスープとは逆に熱くなっていった。 僕は冷や汗を流しながら思った。 ああ、食べ物の恨みは恐ろしいな……
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