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その頃、祈梨は…
「無理、私まだ学校に通い始めたばかりなのよ…こんなの解ける訳ないじゃない」
怒っていた。
祈梨も出されたプリントに悪戦苦闘している。
でも優七よりは進んでいるらしく三枚目だった。
「えーと、特殊属性である光と闇はどうやって生み出すでしょうか…ね、はぁ何でもいいけどテキトーねぇ、この問題作ってるの誰かしら」
しかし愚痴っても何も始まらない、祈梨は教科書を開いた。
この辺りが優七との違いである。分からなかったら調べればいいのだ。
「んー特殊、特殊詠昌…これかしら?」
何ページ目かで手を止める。
「へー回復魔法もこれの類なのね、じゃあ私は二種類使えるってことになるのかしら?」
吸血鬼に与えられた能力は異常なまでの回復スピードだ。それに祈梨は重力の魔法も使える。
「あっと違ったわ、使えた、の間違いね。えーと問題は…光、闇の魔法ついてだったわね」
つつーと指を下へ持っていく。そしてめぼしい所で止まり読み上げる。
「うーん、これかしら?えーと、まず心の中を空っぽにして深呼吸、後は光か闇のどちらか溢れ出る力を受け入れればよい」
分かりやすいようで分かりにくい説明文である。
祈梨は何も考えず書き写した。
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