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日本のどこかにある不思議な町。その中央辺りに位置しているここは学校。
「おーし、じゃあいくぞぉ」
しかしただの学校ではない。
一人の少年が校庭の真ん中に立ちグローブを構えた。
「くらえ、必殺!!!
炎輝球-ファイヤーレボリューション-」
少年の名前は安堂 悠紀(アンドウ ユウキ)彼はそう叫ぶと勢いよく球を投げる。
その球は加速と同時に燃え上がり、バッターに襲い掛かった。
「ふふふ、もらったぁー」
カキーーン..
バッターボックスに立っていたもう一人の少年こと、色 優七(シキ ユウナ)は不敵な笑みと共にバットを一振り。
球は場外にぶっ飛んだ。
「どうしてだぁぁぁあ、俺の魔球を何故打てる!?」
「まだまだ甘いね、安堂…それぐらいの球なら片手でも打てるよ」
優七は凍り付いたバットを下へ落とす。
安堂はマウンドに膝を付き、びえんびえんと男泣きしている。
「およ~、凄いですね~、でも飛ばし過ぎないで下さいね~」
男達に混じり少し浮き立つ存在、外野にいた女の子が叫んだ。
彼女の名前は白瀬 沙百合(シラセ サユリ)多少ボーイッシュな所がある二人の親友。
「分かったよ、今度は手加減するから」
「くそぉー優七、もう一回だ」
こんな勝負がさっきから数十回は続いている。
いつになったら終わるのか?それはきっと授業開始のチャイムが鳴るまでだろう。
そんな平和な昼下がり。
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