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そう言って声を掛けてきたのはなんだかとっても派手な人。
化粧もばっちり、髪の毛の色だって黒とは程遠い赤みたいな茶色。
私とはかけ離れたような人。
でも私はなんでもないように彼女の瞳を見ながら一言。
「いいよ、違うとこで食べるから。」
「……そう?じゃあ気が向いたら戻ってきてね。」
容姿のわりにふんわりした雰囲気をまとった彼女は、一瞬だけ考えたが、私の答えを了承したのかコクリと頭を縦に振ってから去っていく。
行き先は、教室のど真ん中。
キラキラの先。
そんな後ろ姿を眺めてから、私も弁当を片手に教室をあとにすることにした。
「椿ちゃん行っちゃったなぁ。なんか最近また、笑わなくなったっていうか……」
「んーだよな。つーか速見が居なくなった時もかなりアッサリじゃなかった?」
「そーだよね。なんかもっと寂しがるかと思ってた!」
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