センチメンタルまであと何センチメートル?

4/24
前へ
/24ページ
次へ
そう言って声を掛けてきたのはなんだかとっても派手な人。 化粧もばっちり、髪の毛の色だって黒とは程遠い赤みたいな茶色。 私とはかけ離れたような人。 でも私はなんでもないように彼女の瞳を見ながら一言。 「いいよ、違うとこで食べるから。」 「……そう?じゃあ気が向いたら戻ってきてね。」 容姿のわりにふんわりした雰囲気をまとった彼女は、一瞬だけ考えたが、私の答えを了承したのかコクリと頭を縦に振ってから去っていく。 行き先は、教室のど真ん中。 キラキラの先。 そんな後ろ姿を眺めてから、私も弁当を片手に教室をあとにすることにした。 「椿ちゃん行っちゃったなぁ。なんか最近また、笑わなくなったっていうか……」 「んーだよな。つーか速見が居なくなった時もかなりアッサリじゃなかった?」 「そーだよね。なんかもっと寂しがるかと思ってた!」
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加