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きっともう終われないのだ。
終わることなど有りうるのだろうか。
だって始まることなど何も無い。
始まることも終わることも出来ないこの愛を満たしたまま、溢れたその中で浩太と手を繋ぐ。
繋がる浩太の手から伝わるもの
永遠。
静かにゆったりと愛が注がれているのが私には、はっきりとわかる。
だけど、確実に寂しく。
別々の眠りにつくときあなたを想う私を嫌わないでほしい。流とベッドに入るとき、流の後ろに浩太を通わせてしまっても軽蔑しないでほしい。
「浩ちゃん。」
「何?」
優しさを纏わりつかせ、先を促すその声。その目を。
「ぎゅってしていい?」
何も言わずして。かつてベンチシートだった車とは違い、一定の間隔を保ち抱き寄せてくれる。
これだけで十分なのかもしれない。
想いは、確実にここにあって、それは終わらない。
浩太の唇がうなじのパトワに、額に、唇に触れてくれる。
緊張しながらも自然なことだと思ってしまう。
永遠なのだ。この想いは、当たり前で永遠。
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