一章

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「行ってらっしゃーい♪」 相変わらず、ハイテンションな母。 「煉は眠いのかな?」 優しくて、マイペースな父。 私は、どっちかって言うと…お父さんの血を継いだらしい。自分でも、マイペースだと思う。 『男子校…かよ。』 独り言を言いながら、風呂に入る。 『お父さん、何で賛成したんだろ。』 髪の毛をワシワシっと洗う。 ふと、鏡の中の自分を見た。 『お母さん…お父さん…私に何をやらせたいんだよ…。』 つい、本音が出た。気を紛らわせるために、シャンプーやリンスなどをした。 『…男子校なんか、男だけじゃん。』 そう呟き、風呂を出た。 『お先~。お休み。』 リビングにいた父と母にそう言った。 「「お休み♪」」 明るく返してくれる。実はそれが、好きなんだ。
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