Ⅴ 初めての二人きり

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僕は逢う度にどんどん彼女に気持ちを募らせていった。僕が守りたいと思った。けれど、彼女の気持ちはわからない。彼女の薬指には結婚指輪がずっと嵌められていたから。 彼女は必ず事前に僕の都合を聞いてから、逢う約束をするのだけれどそのときは違った。いきなり今日は空いている?聞かれて、言葉に詰まった。仕事の都合で隣県に出張だったのだ。 追い詰められたような感じの彼女に、僕は正直に状況を話すと、彼女はそこで落ち合いましょうと言って電話を切った。彼女に何かあったのだろうか。彼女が気になって仕方ない僕は、気もそぞろに仕事を済ませると彼女からの連絡を待った。
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