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どれだけ呑んでも変わらない彼女が酔っ払ってしまいたい…何かあったのだろうと察しはつくが、そのことには触れずにいつものように呑んで食べた。さすがに今日は酔っ払ってしまうと言っただけあって、すきっ腹でワインフルボトルを一本開けた彼女は気分が悪いから一軒目で帰ると言い始めた。
会計を済ませて店の外に出たが、足元がふらついて、店の階段でも何度か踏み外しかけた。こんな彼女は今まで見たことなかった。
『ホテルはどこですか?ホテルまで送りますから。』
『大丈夫、大丈夫よ。』
一人ではとても帰らせられない。
『キャナルシティの中のグランドハイアット。』
自分の状態に気が付いたのか、やっと自分のホテルを白状した。
『グランドハイアットの何号室ですか。』
『605号室。』
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