ⅩⅠ彼女の母親

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僕は今まで以上に仕事に力を入れ、彼女は新しく働き始めた。すべてが順調だった。そんなある日、珍しく仕事中に彼女から携帯に電話が入った。 『あなたのことがばれたみたいなの。』 『うちの母が興信所を使ってあなたのことを調べ上げたようなの。仕事場も住んでいるところもばれているようで…。うちの母は何するかわからない人だから。ごめんなさい、きっとあなたに迷惑がかかる…。』 仕事も住所も調べ上げた?突然のことに少し動揺したが、とりあえず、彼女には心配しないで、大丈夫だからと話して、電話を切った。 そして二日後、僕はいきなり仕事場の近くで罵声を浴びせられた。 『人の娘をさらうとはたいした度胸やね。』 最初は何のことかわからなかった。 『うちの娘たぶらかして、人のもん取るとはどういうことや。』
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