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『多分あなたのお母さんが今日、うちの会社まで来ていたよ。』
彼女の表情がさっと曇った。
『やっぱり。いつかそうなるんじゃないかと思ったけど…。どうしよう。』
『お母さんは、さらっただの、取っただの言っていたけれど、僕が拉致監禁している訳じゃないから大丈夫だよ。』
僕は苦笑した。
『しかし、ずいぶん行動力のあるお母さんだね。』
『多分、もっと…さらに何かしてくるわ。』
彼女はさらに不安げな様子で、思い沈んでいる。
『まさか…会社に。』
そのまさか、だった。
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