ⅩⅢ 転勤

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最近の彼女の不調は悪阻が原因だったらしい。産婦人科で入院を勧められたらしいことも、どうしようかも悩んでいたらしい。 『しばらく入院させてもらったら?体調悪くて起き上がれないこともあるんだし、来週から平日は一緒にいられないから心配だよ。』 『そうね。』 『今週までは僕が簡単な食事を作ってあげられるけど。なにか食べれそう?』 力なく彼女が首を横に振る。 とりあえず残り物で僕は雑炊を作ることにした。昆布とかつお節で丁寧にだしをとり、エビも入れればさらにえびのうまみも入る。だしでご飯を煮て薄口醤油で味をつけ、溶き卵と刻みねぎを加えたら出来上がりだ。 『いい香り。それなら、なんとか食べれそう。』 『食べれる分だけ食べたらいいよ。』 いつもの食欲には劣るが、少しは食べてくれた。先に彼女を休ませて、僕は後片付けを済ませた。
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