Ⅱ 日本酒の会

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『こんにちは~。先日カウンター席でご一緒しましたね。』 『ええ。』 にっこり笑ってくれる笑顔も、嫌味のない自然な雰囲気だ。 『日本酒は良くここに飲みに来られるんですか?』 『最近、日本酒の味を覚えたばかりで、あまり詳しくはないんですけどね。』 グラスを持った細い薬指には、きらりと光る指輪があった。 『ご結婚されているんですか?』 『ええ、でも、彼の方は全く飲まないので、独りで飲みに出ることが多いですけど。』 『一緒に飲めないのは残念ですね。もし御独りなら、僕がいつでもご一緒しますよ。』 『それはほんと?なかなか日本酒を好きな友達がいなくて…。』 こんな好みのタイプの女性と一緒に飲めるなら、日本酒もいっそううまいだろうなと心の中でつぶやいた。すばやく、携帯の番号とメルアドを交換すると、いつでも連絡くださいと一言添えた。
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