Ⅲ ライバル

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携帯の電話番号とメルアドを教えたものの、酔いが覚めて冷静になった僕は彼女からの連絡はありえないと思い始めていた。仮にも既婚者、旦那がいるのに知り合ったばかりの男と呑みに行くはずがない、と当たり前のことに気が付いたのだ。 まぁ、連絡がこなくても偶然おばちゃんの店で遇う事ぐらいはあるかもしれないし、それでも十分だった。 一週間、二週間と日が経ち、もう彼女は僕のメルアドと一緒に僕の顔も忘れさっただろうと考えていた頃、彼女からメールが届いた。 はやる気持ちを押さえながら読むと、おばちゃんの店で知り合ったメンバー数人と呑むらしく、それに参加しませんか?という内容だった。なるほど、確かに無難な提案だった。それに僕としてもいきなり二人きりでは話題もなにもなく、つまってしまう危険もある。日程も問題なかったので即了解のメールを送り返した。
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