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女性はムーンを抱き上げ、ムーンの胸にある満月の模様を見て目を見開いた。
「あら?あらあらあら~~~!!!」
ムーンは女性の声にビックリして毛を逆立てた。
「あなたもしかして!いえ!もしかしなくてもあの時の猫ちゃんね!!見間違える訳ないわ!あなたと居た時に見た満月が可愛くて可愛くて家族に迎えたんですもの!言わば私達に満月を引き合わせてくれたキューピッドちゃんよ!!こうしちゃ居れないわ~~!今すぐ皆を呼び戻さなくちゃ!!!!」
言うな否や女性はムーンをしっかりと抱き上げ家へ入りリビングに急ぎソファーにクッションを置きその上にムーンをそっと置き、ちょっと待っててね?と言いパタパタと走って行ってしまった。
ムーンは未だ何が起こったか分からずに固まったままでいた。
しばらくすると女性はルンルンと鼻歌を歌いながらムーンへ近付くとうっとりとした眼差しを向け肘をついてムーンの正面にしゃがみ込んだ。
「あぁ、なんて素敵なの?あんな遠く離れた所から満月を追い掛けて来たのね?なんてロマンチック!」
ムーンは女性から向けられる眼差しにどうして良いかわからずにただ女性の顔を見詰めるしか出来なかった。
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