第3幕

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ムーンと満月は顔を伏せきつく目をつぶった。 次に来る罵倒の数々に備えて。 『………』 「………」 ……………あれ? だが罵倒は何時になってもやってこない。 二人はゆっくり目を開き顔を上げた。 『「……?」』 そして女性はゆっくりと二人に近付くと優しく抱きしめて来た。 「……ママ?」 『……ママさん?』 「今まで辛かったよね?もう大丈夫、大丈夫よ………」 その言葉を聞いたムーンと満月は声をあげてママさんに泣き付いた。 ママさんは二人が落ち着くまで背中を撫で待って居てくれた。 『……もう、大丈夫』 「そう、良かったわ?これからは気兼ねなく接して頂戴ね?あなたは私達の大切な家族なんですから」 ムーンの胸には温かいものが沸き上がって来た。 この家族はなんて温かいのだろう 「それからね~♪」 ママさんは二人を離し無邪気な笑顔を向けた。 「私初めてムーンちゃんを見た時からどうにもムーンちゃんがただの猫ちゃんには見えなかったのよね~♪そうか!あぁ~~~!!!ムーンちゃんは天使の使いだったのね~!!だから人の言葉が話せたのね~!!!ロマンチック~~~♪」 「そうと決まったら嫁さん!明日はムーン君が天使の使いだったパーティーを開こう!!」 「そうだ!そうしようぜ!?お袋!」
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