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そのまま寝付いてしまったのか、ムーンが目を覚ますと日は昇り鳥達の歌声が響き渡っていた。
ムーンは満月の住む家へ目を向けると玄関が開きスーツを着込んだ男と制服を着た青年と満月が出て来ると、続いてヒラヒラエプロンを付けた優しそうな女性が出て来て満月達に手を振っていた。
「いってらっしゃ~い!!」
「「「行ってきます!!」」」
ムーンはその様子を見て昔を思い出した。
過去、自分はあのように毎朝兄達と供に旦那さんと息子さんを見送っていた。
満月達が出掛けた後、玄関の様子を暫く見ていると先ほど満月達を見送っていた女性が片手に大きめの皿を持ち、もい片方の手にそこの浅い器を持って出て来た。
すると、猫達が集まって来て女性が持って来た皿と器を囲む。
その猫達の中には昨日ムーンを此処まで案内してくれた野良猫も居た。
ムーンはそれで納得した。あの野良猫が「あそこの家の奥さんは俺達、野良猫に餌をくれる」と言っていたのできっと今がそれなのだろう。
ムーンはのそりと立ち上がり女性の元へゆっくりと近付いて行った。
「あら?あなた見ない顔ね?」
女性はそう言いムーンの頭へと手を延ばして来た。
ムーンは獣騎種の能力である心読みで女性の瞳の色から裏表のない心からの優しさを見た。
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