8人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうらしいな、夏休みの初日から始まるみたいなんだ」
俺は淡々と話していった。
「私たちに嘘ついたのは私たちがついていきたがるから?」
「あぁ、それに、来た手紙に『1人に別れを告げろ』って書いてあったからな」
あえて『一番大切な』という部分を省いていった。
「別れって…………
ねぇ広夢、今から行かないことにはできないの?」
凜がまたうつむきながら聞いてきた。
「きっとできないだろうな…
ま、そんなに心配すんなよ、きっと平気だって」
俺は笑って言いながら凜の背中を軽くたたいた。
「バカ!!そんな訳の分からない所に行くんでしょ!
………心配に決まってるでしょ…………」
凜がうつむいたまま震えた声で言ってきた。
それを聞いた俺はただただ立ち尽くすだけだった。
最初のコメントを投稿しよう!