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「あとは神宮だけか」
「燎夜のところか?あそこは来ない」
飛鳥が怪訝そうな顔をして俺を見た。
「織凰寺のパーティーと重なったらしいから」
神宮もまた神の座所のひとつだ。
四大財閥の一つ織凰寺と仲がいいらしい。
俺にとって神宮の一人燎夜は幼なじみのような存在だった。
「織凰寺は苦手だな。なんか蛇ににらまれる感じがするよ」
「同感」
金持ちの家っていうのはどうも苦手でならない。
俺もその金持ちの一人なんだけどな。
「飛鳥、中学はどこに行く?」
「今ところ銀星だな」
「うわっ同じだ。拓哉も銀星だよね」
「当たり前。あそこに行かなきゃどこに行く」
銀星学園は金持ちのための学校。
まれに一般人も入ってくる。
学費の高い銀星に入るには常に学年首席を保つ必要がある。
首席は何人いようと関係ないが、首席から落ちれば即退学だ。
そんな厳しい学園に誰が好き好んで入る?
金持ちならともかく一般人が…
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