フォルテッシモの恋🍀

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それはおれが中三のとき。 その人はみやびの従姉だと言った。 「はじめまして。明咲千里よ」 明るい笑顔に赤褐色の瞳。 本条の家系にはたくさんの外人の血が混じっている。 みやびの髪と瞳もそういったところからきている。 「君たちがみやびの友達?」 「神宮燎夜です」 「竜宮寺拓哉」 「椋木飛鳥だ」 「神楽…響鬼」 それからしばらく、千里さんとは会っていた。 初恋? そういう言葉もある。 好きだったのかもしれないし、違うかもしれない。 「千里ねぇがケーキ焼いたんだ。すごくおいしいんだけど、食べる?」 「モンブランか…へぇよくできてるな」 千里さんはパティシェを目指していた。 いつだったか、千里さんは俺に夢を語ってくれたことがある。
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