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「あっ拓哉」
広間に入ったとたん亜梨栖が抱きついてきた。
かなりの時間俺を探していたらしい。
「ごめんな亜梨栖」
「バカなんだから。方向音痴だってこと、少しは自覚しなよ」
亜梨栖は力の限り俺を抱きしめた。
ふと、隣に立つ飛鳥に気づいたらしい。
あわてて俺をはなすと飛鳥に向き直った。
「パーティーにお招きありがとうございます。私は竜宮寺亜梨栖です」
「知っていますよ」
はて。
今飛鳥の言葉におれは自分の耳を疑った。
「竜宮寺家には『神の指先』を持つ少女がいるのだと」
嘘じゃない。
あの、飛鳥ではなかった。
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