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当然、オレは慌てた。
「え、いや、ちょっと待って。なんでそうなるんだ? っていうか、村のやつらは?!」
「確かにこの村に住むみんなも守るべき人達ですわ。でも、その人達があなた達の悪口ばかり言うのはイヤなんですの。
おとーさまもみんなも、あなた達を守ろうとしないんだったら、私があなた達を守ってやりますわ!」
「ばかっ! 女が守れるわけねえだろ!」
「やってみせますわよ! それに、私だけではありませんでしょう?」
「?」
「あなたも、守ってくれるのでしょう?」
「……は?」
思考についていけず、あっけにとられるオレの前で、そいつはにっこり笑ってみせた。
「友達は、守るものですわよ」
いつの間にか、オレは友達にされたらしい。
初めて触れる、家族以外の女の子の手がオレの手をとった。
「いっしょに守りましょう? 私はあなた達の味方ですわ。あなた達を守ると、約束します」
「あなたは?」と笑顔で聞かれて、答えに詰まった。
正直、本当にそんな簡単に友達になっていいのかわかんなくて。
でも、かなり嬉しかった。
だから、素直に頷いたんだ。
「うん。オレも、お前を守るって、約束…………する」
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