幼き日の約束

6/7
前へ
/117ページ
次へ
 当然、オレは慌てた。 「え、いや、ちょっと待って。なんでそうなるんだ? っていうか、村のやつらは?!」 「確かにこの村に住むみんなも守るべき人達ですわ。でも、その人達があなた達の悪口ばかり言うのはイヤなんですの。  おとーさまもみんなも、あなた達を守ろうとしないんだったら、私があなた達を守ってやりますわ!」 「ばかっ! 女が守れるわけねえだろ!」 「やってみせますわよ! それに、私だけではありませんでしょう?」 「?」 「あなたも、守ってくれるのでしょう?」 「……は?」  思考についていけず、あっけにとられるオレの前で、そいつはにっこり笑ってみせた。 「友達は、守るものですわよ」  いつの間にか、オレは友達にされたらしい。  初めて触れる、家族以外の女の子の手がオレの手をとった。 「いっしょに守りましょう? 私はあなた達の味方ですわ。あなた達を守ると、約束します」  「あなたは?」と笑顔で聞かれて、答えに詰まった。  正直、本当にそんな簡単に友達になっていいのかわかんなくて。  でも、かなり嬉しかった。  だから、素直に頷いたんだ。 「うん。オレも、お前を守るって、約束…………する」  
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加