+Ghost+

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そもそも、どちらが本当の私なのかと聞かれればどちらとも言えないのが、今の私だ。 私は容姿の為か、年齢よりも幼く見られがちだが、これでもれっきとした19歳。 任務で相手に取り入る際に私が作り上げた性格が、二重人格のように見えるのだと思う。 「珍しく外出なんて、新しい発明でも出来たんですか?」 私はベルトを太腿に巻きなおしながら聞いてみた。 「いや、東の島国からの要請でおかしな機械を造らされてまして、今回は武器の手入れと言ったところですね。」 辺りを囲む武器の数々を哀愁漂う表情で眺めながら優しく微笑んで見せた。 無邪気な表情をした時の彼は、憎らしいが素敵だと思う。 短髪の黒髪と大きく開いた切れ長の瞳がとてもよく似合っている。 ただ、残念な事に彼は引きこもりの機械オタクだったりする。 「では、任務があるのでこれで失礼するです♪」 そう言って私が彼に背中を向けた瞬間、小さな溜息が聞こえたのを黙認して、私は武器庫を後にした。
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