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街は、秋の香りを小脇に抱えていた。
山は少しずつ赤くなり、空は高く透き通っていた。
そんな、見覚えのない景色。
私は、今どこにいるんだろう。
五感は自由を失い、輪郭のボヤけた景色。
言うならば、感覚全てが水に溶けて消え去った。
そんな感じ。
世界が何もかもを忘れてしまったのか?
恐怖に襲われるが、すぐにどうでもよくなった。
どうせ、これは夢だ。
ほら、どこかから声が聞こえる。
私を呼んでいるんだろう。
うるさいな、わかったよ。
今、いくから。
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