7年前6月中頃

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次第に雨は酷くなり、ゴロゴロと大きな音がする。 怖くて怖くて仕方なかった。 だけど、ボクらにはどうする事も出来なくて… 次第に段ボールも雨でぐちゃぐちゃになり、ボクらの体温は奪われていった。 この頃は順番に鳴いた (誰か助けて…) ―――ザー、ザー、ザー、ゴロゴロ… どれくらい鳴いただろうか。 人間の子供の足跡と思われる音がボクらの方にやってきた。 その子は、段ボールのガムテープを開けて、一匹ずつ僕らを抱きしめてくれた。 「君たち、ずっとココに居たの?寒かったでしょう?もう大丈夫だからね?」 人間のコトバはボクらにはわからない。 だけど温もりは感じるコトが出来た。 その子はボクらを自分の服の中に入れて温めてくれた。 その子の家にも入れてくれた。 牛乳を温めて飲ましてくれた。
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