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「うっ......!」
なっ、何?重い......。
朝日が差し込む部屋の中では、目覚まし時計のけたたましい音が鳴り響いている。
それよりも気がかりなのは、身体中に感じる重圧感。
その正体を確かめようと、重たい目蓋を開け、真っ先に目に飛び込んできたもの。それは......。
「おっ......!お兄ちゃんっっ!!」
そう。
私のベッドで私に覆い被さるように寝ているこの男......。
決して彼氏というロマンチックな展開などではなく、間違いなく血の繋がった二つ歳上のお兄ちゃんだ。
これが本当は彼氏だったらなぁ......。なんて夢見ちゃうけれど。
『年齢=彼氏いない歴』な私には、まだまだあり得ない現実だ。
そんな事を考えながらも、私の上に乗って呑気にスヤスヤと眠っているお兄ちゃんのお腹に、思いっきり膝蹴りを入れてやった。
「ぐはっ......!」
さすがのお兄ちゃんも私の膝蹴りで、お目覚めになったご様子。
そんなお兄ちゃんの耳元で、声を張り上げて叫んだ。
「いい加減にしてよっ!なんでいっつもいつも、私のベッドに入ってくるわけ?」
こっちは怒っているというのに、眠り足りなさそうにお兄ちゃんてば、また私の布団の中へと入ってきた。
「っせーなぁ。いつも言ってんだろ?......花梨が好きだからだよ」
「なっ!」
お兄ちゃんの言葉に、思わず赤面してしまう。
「こっ......このっ!変態兄~!」
ありえない!!
本当にありえない!
お兄ちゃんの考えてること、マジで理解不能!!
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