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「なんであんな奴がお兄ちゃんなのよっ!」
思いっきりお弁当のタコさんウインナーめがけて、フォークを突き刺した。
そんな私を真ん前で見ていた、小学校時代からの親友、小澤唯は少々引き気味。
「まっ......また今日は一段と荒れているね?どうしたの?」
そして笑顔を引きつらせる。
だけれど私は、その言葉に待っていました!!と言わんばかりに、勢い良く今朝の話を話始めた。
「っもー聞いて!?今日もお兄ちゃんってば、私のベットに潜り込んできていたんだよっ?信じられる!?普通にキモいし!なにが悲しくてお兄ちゃんと一緒の布団に寝なくちゃいけないっつーの!」
そんな私に迫力負けしつつも、唯が恐る恐る口を開いた。
「でっ、でも羨ましいけどな。陽介先輩と兄妹だなんて、全生徒の憧れなんだよ」
また始まった。
唯ってば、お兄ちゃんのファンみたいだし。
私には唯の気持ちなんて分かるはずもなく、大きな溜息を漏らす。
「変われるものなら、変わって欲しいよ。あんなお兄ちゃんなんていらないし」
いいことなんてひとつもないし。
だけれどそう思っていたのは私だけのようで、唯は興奮気味に話始めた。
「贅沢者!あんな人がお兄ちゃんなんて、幸運すぎだよ。陽介先輩とは一年しか一緒に通えなかったけれど、またあと1ヶ月経てば、同じ学校に通えるなんて考えただけで幸せだし」
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