恋愛障害期

悩み

放課後の廊下―…
多くの生徒とすれ違う。

「先生さよならー!!」
「また明日ねぇ」
「あー、気をつけて帰ってな」

毎日、元気な生徒の声が里田のまわりをつつむ。
担任は正直疲れる事が多いけど明るいキラキラした生徒の顔をみるととても癒される。

(あー…今日も１日無事終わったな…)

夕日に照らされている空っぽな教室を眺めながらふと、ため息がこぼれる。

２のＤ、里田が担当しているクラス。

自分のクラスの生徒達は本当にかわいい。勿論皆性格はばらばらで、バカやってクラスを盛り上げてくれる男子や、勉強が苦手だけど明るくて可愛らしい女子たち、どの子もその子らしさがあって里田は大好きだった。
そしてその生徒たちが自分を慕ってくれていることが里田何より嬉しかった。

しかし、そう思うと同時に里田は心に少し痛みを感じ、さっきより大きなため息を教室に向かってはいた。