プロローグ

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アーギス帝国首都、グレム 「皇帝陛下。」 暗く閉ざされた部屋の中に、二人の人間の影があった。 影の内の一つはもう一つの影、その影が皇帝陛下と呼んだ影に対しひざまずいている。 「おお、"陽炎゛か。よい、楽にせよ。」 「いえ、陛下の前ではこうしているのが普通でございますから。」 「ワシがよいと言っておるのだ、これは命令だぞ。」 「も、申し訳ありません!私としたことが…。」 「まあ、そう固くなるな。それに前にも言ったはずだぞ、お前とワシだけの時は陛下などと呼ぶな、と。」 「はっ、申し訳ありません。では…改めまして…"深淵゛。」
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