僕等、最初、事件2

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彼女の言葉に祐は語り始める。   「知りたい事は、あの日一緒に居た彼女の件です。鏡教授と彼女は健が会った時、あの場所に一緒に来たのか?それとも、何処かで会ったのか?」   祐に言われて鏡教授は少し考えた。   そして、行き着いた答えに鏡教授は溜め息を吐き出す。   「何処までやる気?」   「彼の興味が無くなるまで。ですかね?」   解り合う二人に、健はついていけない。   「まぁ、いいわ」   それだけ言うと鏡教授は答える。   「彼女とは部屋に行く途中、階段を上がっていたら、階段を降りようとするところで会ったわ」   「それで・・・・・・」   「慌てた感じがしたから声を掛けたら、彼(健)が飛び出して来た」   彼女の答えに祐は溜め息を零す。   「これで良いかしら?」   「はい」   俺は本当に訳が分からない。これでは、彼女が何かしたのだと言っているようだった。   『祐、何言ってる?』   健の言葉に、祐はチラリと視線を向ける。だが、すぐに目を逸らすと頭を掻いた。   そんな祐の態度に鏡教授は話題の最後に、ある情報を口にする。   「安心していいと思うわ。彼の自殺は間違いない筈だから」   『えっ!?』   「知り合いの刑事に聞いたんだけど。彼のカバンの中から遺書が見つかったみたわ。封筒に入った物と沢山の書き損じと」   鏡教授の言葉に俺は胸を下ろしたけれど、祐は納得出来ないように口に手を当て考える。   「この話題はもういいかしら?」   「あっ、はい」   そう答えると鏡教授は、もう1つの話題へと話を変えた。   けれど彼女が言ったのは、たった一言。   「アナタ達、単位無し。それだけよ」  
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