255人が本棚に入れています
本棚に追加
★
『失礼しました』
健と祐の二人は頭を下げると部屋を出ようとする。と、鏡教授が祐を呼び止めた。
「君はどうするの?」
「まだ決めてません。ただ、教授は何処まで分かっているんですか?」
祐は、真っ直ぐに鏡教授を見つめる。
「結末が分からないから何処までとは言えないかしらね」
「そうですか・・・・・・」
「私からの、年長者からの助言だけど、何もしないのは事が起きた時に後悔する事になるから」
「教授は後悔した事があったんですか?」
「それは秘密よ」
健は、二人の会話に置いてかれてばっかりで、なんだか悲しくなってくる。
「失礼します」
そんな事を考えていると、祐は鏡教授から視線を逸らすように部屋を出て行ってしまった。
『し、失礼します』
スタスタと歩く祐の姿に、健は慌てて後を追い掛けた。
そして追いついた時、祐は俺に聞いた。
「健ちゃんは真実を知りたい?どんな結果になるとしても」
『え?』
「知りたいか、知りたくないか、だよ」
少し考えたが、結論は直ぐに出た。
『知りたい!!』
それは素直な気持ちだった。
『知らないでモヤモヤしているより、知っておきたい。対応も出来るから』
健の言葉を聞いた祐は可笑しそうに笑う。そして、気を取り直すように足を止めると手を叩く。
「それなら次の場所に行こうか」
一体どんな結果が見えるのだろう?
そして何が起きるのだろか?
知りたい健だが少しだけ怖かった。
最初のコメントを投稿しよう!