僕等、最初、事件2

5/5
前へ
/200ページ
次へ
 ★   『失礼しました』   健と祐の二人は頭を下げると部屋を出ようとする。と、鏡教授が祐を呼び止めた。   「君はどうするの?」   「まだ決めてません。ただ、教授は何処まで分かっているんですか?」   祐は、真っ直ぐに鏡教授を見つめる。   「結末が分からないから何処までとは言えないかしらね」   「そうですか・・・・・・」   「私からの、年長者からの助言だけど、何もしないのは事が起きた時に後悔する事になるから」   「教授は後悔した事があったんですか?」   「それは秘密よ」   健は、二人の会話に置いてかれてばっかりで、なんだか悲しくなってくる。   「失礼します」   そんな事を考えていると、祐は鏡教授から視線を逸らすように部屋を出て行ってしまった。   『し、失礼します』   スタスタと歩く祐の姿に、健は慌てて後を追い掛けた。   そして追いついた時、祐は俺に聞いた。   「健ちゃんは真実を知りたい?どんな結果になるとしても」   『え?』   「知りたいか、知りたくないか、だよ」   少し考えたが、結論は直ぐに出た。   『知りたい!!』 それは素直な気持ちだった。   『知らないでモヤモヤしているより、知っておきたい。対応も出来るから』   健の言葉を聞いた祐は可笑しそうに笑う。そして、気を取り直すように足を止めると手を叩く。   「それなら次の場所に行こうか」   一体どんな結果が見えるのだろう?   そして何が起きるのだろか?   知りたい健だが少しだけ怖かった。      
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!

255人が本棚に入れています
本棚に追加