僕等、最初、事件3

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  映画部部室の扉を前に俺等は立つ。   『ここに何の用?』   「ちょっと探し物」   そう言って祐が扉に手をかけたが、扉には鍵がかかって開かない。   『開いてないね』   「そうだね」   『どうするの?優呼ぶ』   俺は視線を逸らし外を見ながら話すと、祐から返答がなく視線を向けて驚いた。   「あ、開いた」   『開いた、じゃねぇよ!?』   ドラマでも見なくなった針金での鍵開け。それを今、祐は俺の目の前でやってのけた。   「まさか開くとは」   『えっ、ミラクル。本気で開けても、まぐれで開けても両方スゲー』   叫ぶ俺を完全スルーして祐はさっさと中へと入る。   『・・・・・』   「何してるの、手伝って」   突っ込みの1つでも言えよ、と俺は心の中でぼやきながら中へ入った。   中に入ると映画部というだけあって映画の機器や雑誌、DVDとがひしめきあっていた。   『さすが映画部』   俺が関心していると祐は棚の本を片っ端から確認していた。   『何を探しているの 』   「台本、またはネタ帳」   『そんなの探して何するの?』   俺の言葉に祐は開きかけた口を閉じた。   「まぁ、これは推測だから確証が持てたら言うよ」   『そう、別にいいけど』   言葉が途切れ、俺と祐は捜索に専念した。けれど、祐が探している物は見つからなかったらしい。   小山にされた台本を前に祐は溜め息を零した。   「台本の中には無し」   『二十冊くらいはあるけどダメだったの』   「うん、ネタ帳はまったくみつからないから各自で持ってるのかも」   俺の言葉に祐は頷き答えると、机に崩れ落ちた。そんな祐に気にしないようにしていたことを聞こうとした。   『祐はこんな所調べて・・・、あの件のどんな真相を見つけようとしてるの』   「・・・・・」   俺が何を言おうとしているのか祐には分かったのだろう、無言で返答をする。   『祐の行動はどちらか1人が・・・・・・』   そこまで言って俺は口を閉じた。何だか虚しい、祐がこんな事が悲しくて仕方ない。俺はゆっくりと溜め息をつき目を閉じる、祐は何も言わずに扉とは反対にある窓から外を眺めた。   時間にしたら数分だろうが、長い時間が流れた気がした。  
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